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マーク・ウェバーが明かした「マルチ21」秘話

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2013年までレッドブルに在籍していたマーク・ウェバーが今年7月に自伝の出版を予定している。そして、その本の中ではレッドブル時代のチームメートであったセバスチャン・ベッテル(現フェラーリ)との確執などについて、詳細に語られていると言われている。

今回、ウェバーが地元オーストラリアの放送局に対し、その内容の一部を明らかにした。

ウェバーは29日(月)に、『ABC』放送局の「オーストラリアン・ストーリー」という番組の中で、その本の中で実際にどういうことが語られているのかと質問を受けた。

そこでウェバーが最初に語ったのは、レッドブルのベッテルと自分に対する処遇の仕方が変わり始めたきっかけについてだった。

■自分が2連勝したときからチームの処遇が変わった

「僕が直前の2レースでポール・トゥ・ウィンを達成したときだった。新しいリアウイングが届いたんだけど、それはガレージの反対側(ベッテル)のほうにだけ渡されたんだ」

「何らかの策略めいたものが行われていたとしか考えられなかったよ」

ウェバーの長年の恋人であり、マネジャーでもあるアン・ニールがそれに次のように付け加えた。

「私たちは、セバスチャンが事の成り行きを不満に思っているのだという印象を受けました。この年長のオーストラリア人が彼を負かしていたわけですし、そんなふうになるとは考えられていませんでしたからね」

ニールは、そうした状況を受けて、レッドブルが若いベッテルのほうに注力するようになっていたのだとほのめかし、次のように続けた。

■もはや公平な処遇が受けられなかったウェバー

「たとえ彼(ウェバー)が選手権をリードしていようが、レースに勝っていようが、レッドブルが力を注いだのはマークではなく、セバスチャンが戦えるようにすることだったんです」

ウェバーが語った2連勝とは2010年の第5戦スペインGPと第6戦モナコGPのことだ。そしてその次のレース第7戦トルコGP決勝では、ウェバーとベッテルがチームメート同士でクラッシュを演じることになる。

「見ていた人たちの99.9%がセバスチャンのほうに非があることは分かっていたと思います」

当時を思い起こしながらそう語ったニールは、次のように続けた。

「ですが、マークを批判した人たちもいました。そして彼のチームもその中に含まれていたんです。これには私も本当に驚かされました」

■ウェバーのF1引退の引き金ともなった「マルチ21」

ともあれ、ベッテルはその後順調に勝利を重ね2010年のF1タイトルを獲得すると、続く2011年、2012年と3年連続でF1タイトルを手中に収める。そして、この2人の関係が決定的な亀裂を生むこととなる有名な「マルチ21事件」が起こった2013年の第2戦マレーシアGPを迎えることになる。

「チームはマルチ21のあとで失望していたよ。それは間違いない。彼らがドライバーに何かを命じても無視されてしまう腑(ふ)抜けだということを示されてしまったんだからね」

2013年のマレーシアGPでは、ベッテルがポールポジションを獲得し、ウェバーは予選5番手となっていた。だが、レース前半がウエットコンディションとなったことから、タイヤ選択のタイミングなどにより、レース後半はウェバーがトップに立った。しかし終盤にペースを上げたベッテルがウェバーを猛追。ここでレッドブルは、そのままの順位をキープしろという意味の「マルチ21」という暗号を2人のドライバーに無線で伝えていた。しかし、ベッテルがこれを無視し、ウェバーを追い抜いて優勝をさらってしまっていた。

■途中で態度が変わったベッテル

ウェバーは、ベッテルは当初そのことを非常に反省しており、チームオーダーを無視したことにより「大失敗をしでかしてしまった」という認識を持っていたと語り、次のように続けた。

「誰がマレーシアと(次戦の)中国の間に彼に入れ知恵したのか知らないけれど、中国で話し合いをしたときにはうまくいかなかったよ」

「彼(ベッテル)は、ドライバーとしては僕に対してすごく尊敬の念を抱いているけれど、人間的にはそれほどでもないと言ったんだ。あの時点で関係は一気に悪化したね」

そう語ったウェバーは、2013年シーズン限りでF1を去る決断をするに至った理由を次のように説明した。

「(レッドブルでは)何かを変える必要があったのさ。だから、僕は彼らが決断しやすいように協力し、チームから離れたというわけだ」

■レッドブルはコメントを拒否

レッドブルを離脱してF1を引退したウェバーは、2014年からポルシェに移籍し、WEC(世界耐久選手権)の最高峰カテゴリーであるLMP1に参戦している。

一方のベッテルは、6月初旬にウェバーが「暴露本」とも言える本の出版を予定していることについてどう思うかと質問されると、自分は気にしないと語っていた。そのときベッテルは、時間がそうした過去の経緯を少しずついやしてくれていると付け加えていた。

ウェバーは、ベッテルが2人のライバル関係にもう少しうまく対応できていたかもしれないと認めたと次のように続けた。

「彼(ベッテル)は言ったよ。『振り返ってみれば、違うやり方もあったんじゃないかと思うものだと言うけれど、確かにその通りだね』とね」

このウェバーとのインタビューを受け、『ABC』ではウェバーの古巣チームにもインタビューを申し入れたという。だが、「レッドブルからは、この番組の中で明らかにされた件に関してコメントすることを拒否された」という。

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