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FIAの裁定にメディアから批判の声

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いわゆる”クラッシュゲート”に関する公聴会が行われたものの、ルノーに対するペナルティーが事実上は何もなかったため、メディアから批判の声が上がっている。

FIA(国際自動車連盟)は裁定の中で、ルノーの違反について「比類なきほど重大」と表現していた。しかしロンドンの『The Times(タイムズ)』紙は、世界モータースポーツ評議会が決定した処罰を「比類なきほど寛大」と報じている。

『The Times(タイムズ)』紙はさらに、「FIAは平等になれなかった」と書いた。これは、今回のルノーが2年間の執行猶予付き参戦資格停止とFIAの調査費用を負担することと、2年前の”スパイゲート”でマクラーレンに科された1億ドル(当時約115億円)の罰金を比較している。

「調査費用は約160万ドル(約1億4,000万円)、つまりルノーへの処罰はざっと9,840万ドル(約90億円)安いことになる」と『The Times(タイムズ)』紙は加えた。

スペインの『El Mundo(エル・ムンド)』紙はクラッシュゲートのことを、「前例がなく、罰則もほとんどないスキャンダル」と報じた。

『Daily Mail(デイリー・メール)』では、今回のルノーを「大脱走」に見立て、ルノーは「恒久的にトラックから追放されるだけではなく、刑事責任も問われるべきだ」と報じている。

シンガポールの『The Straits Times(ストレイツ・タイムズ)』紙はFIAを、「スポーツ界で最大の責任逃れ」と批判。また、故意のクラッシュを厳しく罰しなかったことで、ファンとマーシャルについて「その生命よりも、巨大自動車メーカーからの支援のほうが重要である」ことをFIAが示したとも書いた。

これには『The New York Times(ニューヨーク・タイムズ)』紙も同意見で、FIAは「最も強力で、資金のあるスポンサーの参戦を」守ることに傾いたとし、『Daily Telegraph(デイリー・テレグラフ)』も、「こんなにも寛大な処罰を予測できたものはいない」とした。

しかしFIA会長のマックス・モズレーは、フラビオ・ブリアトーレ(元マネジングディレクター)とパット・シモンズ(エンジニアリング部門エグゼクティブディレクター)という個人を罰したのみで、組織の責任を問わなかった裁定について、支持する発言を行った。

「起きてしまったことに対し、ルノーは何の道義的責任も負っていなかったことを示したので、彼らへ即座に罰則を科すことは間違っている」モズレーはこのように語り、2年間の執行猶予がついたとはいえ、F1参戦資格の永久停止という罰則ですら厳しいものだと話している。

「非難されるべきものが非難され、正しい裁定だった」とモズレーは加えた。

しかし、FIA会長選挙に立候補しているアリ・バタネンは、違う意見を持っているようだ。今回のように内部取引の存在を人々が疑うことにより、懲罰問題などで「どこからも影響を受けない正義」を追求する自身の立場が強まるとバタネンは語っている。

このバタネンの意見には、1996年のチャンピオンであるデーモン・ヒルも賛成なようだ。「このようなことがあると、F1の裏側での権力争いと切り離して考えることはできなくなる」とヒル。

一方で、FIAのスポーツ担当副会長であり、アラブ首長国連邦の自動車クラブ会長でもあるモハメド・ビン・スライエムは、地元の『The National(ナショナル)』紙に対して、世界モータースポーツ評議会の裁定について語った。

「われわれは事前に交渉しており、結果には全員が満足している。判決は公平なもので、全員が勝者だ」

さらにビン・スライエムは、シンガポールでのクラッシュに関する事実以外のものが、自身の投票に影響を与えたことも示唆している。

「私は、祖国へ忠誠を誓うのと同時に、モータースポーツへも忠誠を誓わなければならない」

「アブダビがF1に対して行ってきた投資を守ることが私の義務だ。これは大規模なショーであり、数々のチームを必要としている。こういった危機の中で、深刻なダメージを与えるようなことはできない」

「全員が(F1にいる)ルノーを見たいと思っている。これは全員が望んだ結果だ」

フランスの産業担当大臣であるクリスチャン・エストロジは『L’Equipe(レキップ)』紙へ、次のようなコメントを残した。

「これ(裁定)は、フランスの産業にとっていいものであり、スポーツ全体にとってもいいものだ」

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